人生の羅針盤になる本棚

読者の人生の方向性を示す「羅針盤」のような役割を果たす本、書籍のレビュー・書評サイト

【書評】『物語思考』|「やりたいこと」が見つからなくて悩むあなたへ

本ページはプロモーションが含まれています

「やりたいことが見つからない…」

キャリアについて考えたとき、多くの人が一度は抱える悩みではないでしょうか。本書『物語思考』は、そんな漠然とした不安に寄り添い、新しい視点をくれる一冊です。

この記事では、『物語思考』がどんな本なのか、その魅力や実際に読んだ人たちの感想などを紹介します。購入を迷っているあなたの、判断の助けになれば幸いです。

【こちらもオススメ】

compass-books.jp

『物語思考』とはどんな本か

本書が提案するのは、「人生の脚本家は自分自身である」という、新しいキャリアの捉え方です。明確なゴールがなくても、自分のキャリアを一つの「物語」と見立て、その主人公兼編集者として、日々の出来事や偶然の出会いを楽しみながら自分だけのストーリーを創り上げていく。本書は、そのための思考法を教えてくれます。そのための具体的な思考法や行動術が、連続起業家である著者けんすう氏の実体験や豊富な知識を交えながら、非常に分かりやすく解説されています。

本の魅力:3つのポイント

本書には多くの魅力がありますが、特に心に響いた点を3つ、少し掘り下げて紹介します。

「やりたいこと」の呪縛から解放される

私たちは「何か大きな目標を見つけなければならない」という社会的なプレッシャーを感じがちです。しかし本書は、「やりたいことは、今なくてもいい。見つからなくても大丈夫」と力強く語りかけてくれます。それは単なる慰めではなく、目的がなくてもキャリアは豊かになるという新しい価値観の提示であり、焦りや不安を感じている心をそっと軽くしてくれるでしょう。

キャリアを「物語」として捉える新しい視点

過去の経験、現在の状況、未来への不確実性。それら全てを、一本の線で繋がった自分の「物語」の構成要素として捉え直すことで、これまでバラバラに見えていた出来事に意味を見出すことができます。この視点を持つことで、先の見えない未来に対する「不安」が、どんな展開が待っているのだろうという「期待」へと変わり、予期せぬトラブルさえも物語を面白くするスパイスとして楽しめるようになります。

すぐに試せる具体的な行動のヒント

本書は心構えを説くだけでなく、非常に実践的です。「偶然を計画的に作り出す方法」や「興味の解像度を上げるための小さな実験」など、日々の生活の中ですぐに試せる具体的なアクションが豊富に紹介されています。本書を読めば、自分の物語を動かすための「次の一手」がきっと見つかるはずです。

少し気になった点

全体を通して非常に参考になる内容ですが、もしあなたが既に明確で具体的な目標を持ち、それに向かって最短距離で進むための計画を立てたいと考えている場合、少し物足りなさを感じる部分もあるかもしれません。本書は、キャリアの方向性に悩んでいたり、漠然とした不安を抱えていたりする人にとって、より大きな気づきや視点の転換を与えてくれる内容だと感じました。

ネット上のレビューや口コミ

多くの読者が本書にどのような感想を抱いたのか、良い口コミと気になる口コミの両方を要約して紹介します。

良い口コミ・評判

  • 「心が軽くなった」「救われた」という声が最も多く見られました。「やりたいことがなくてもいい」というメッセージが、目標設定に疲れた多くの人の肩の荷を下ろしたようです。

  • 「キャリアに対する考え方が180度変わった」「具体的な行動を起こすきっかけになった」など、新しい視点を得て、これまでとは違う一歩を踏み出せたと感じる人も多くいました。

気になる口コミ・評判

  • 「内容は他の自己啓発書でも語られていることと似ている部分がある」と感じた人もいるようです。ただし、著者自身の言葉で語られることで、より納得感があったという意見もありました。

  • 考え方としては非常に共感できるものの、「自分ごととして具体的な行動に落とし込むには、読者自身の工夫や思考がもう少し必要かもしれない」といった意見も見られました。

まとめ:自分の物語を始めるための一歩

『物語思考』は、キャリアの正解が見えずに悩む全ての人に、温かいエールと新しい地図を渡してくれる一冊です。

もしあなたが「やりたいこと」が見つからずに立ち止まっていたり、将来に漠然とした不安を感じていたりするなら、本書はあなたの背中を優しく押し、自分だけの物語を始めるための心強いコンパスとなってくれるでしょう。あなた自身の物語の、新たなページをめくるために。まずはこの一冊を手に取ってみてはいかがでしょうか。